2014年1月30日
発言を知った途端に、言わずもがなの不注意な発言をしたなと思いましたが、朝日新聞サイトの“詳報”を読んで、籾井さんは誠実な対応をしたと思いました。 反して、報道の質の悪さに、いつもながらのガッカリです。 朝日の“詳報”がどの程度正確か油断なりませんが、当該部分をコピーすると、下の通りです。 -------------------- ――政府との距離の問題について、2001年の番組改変問題があった。慰安婦を巡る問題についての考えは コメントを控えたい。いわゆる、戦時慰安婦ですよね。戦時だからいいとか悪いとかいうつもりは毛頭無いが、このへんの問題はどこの国にもあったこと。違いますか。 (中略) ――先ほどの発言から、慰安婦は戦争していた国すべてにいた、というふうに取れるが こっちから質問ですけど、韓国だけにあったことだとお思いですか。 ――どこの国でも、というと、すべての国と取れる 戦争地域ってことですよ。どこでもあったと思いますね、僕は。 ――何か証拠があってのことなのか この問題にこれ以上深入りすることはやめたいのですが、いいですか。慰安婦そのものが良いか悪いかと言われれば、今のモラルでは悪いんです。じゃあ、従軍慰安婦はどうだったかと言われると、これはそのときの現実としてあったということなんです。私は慰安婦は良いとは言っていない。ただ、ふたつに分けないと、話はややこしいですよ。従軍慰安婦が韓国だけにあって、他になかったという証拠がありますか? ――他の国にもあったということと、どこの国にもあったということは違う 戦争をしているどこの国にもあったでしょ、ということです。じゃあ、ドイツにありませんでしたか、フランスにありませんでしたか? そんなことないでしょう。ヨーロッパはどこだってあったでしょう。じゃあ、なぜオランダに今ごろまだ飾り窓があるんですか? 議論するつもりはありませんが、私が「どこでもあった」と言ったのは、世界中くまなくどこでもあったと言っているのではなくて、戦争している所では大体そういうものは付きものだったわけですよ。証拠があるかと言われたけれども、逆に僕は、なかったという証拠はどこにあったのか聞きたいですよ。 僕が今韓国がやっていることで一番不満なのは、ここまで言うのは会長としては言い過ぎですから、会長の職はさておき、さておきですよ、これを忘れないで下さいよ。韓国が、日本だけが強制連行をしたみたいなことを言っているから、話がややこしいですよ。お金寄越せと言っているわけですよ、補償しろと言っているわけですよ。しかしそういうことは全て、日韓条約で国際的には解決しているわけですよ。それをなぜそれを蒸し返されるんですか。おかしいでしょう。そう思いますよ、僕は。 ――今のところ、「会長としての職はさておいて」というが、ここは会長会見の場だ 失礼しました。じゃあ、全部取り消します。 ――取り消せないですよ しつこく質問されたから、答えなきゃいかんと思って答えましたが、会長としては答えられませんので。「会長はさておき」と言ったわけですよ。じゃあ、取り消しますよ。まともな会話ができなくなる。「それはノーコメントです」と、それで済んじゃうじゃないですか。それでよろしいんでしょうか。 -------------------- ここで決着はついているのではないですか? (質問者)先ほどの発言から、慰安婦は戦争していた国すべてにいた、というふうに取れるが これは政治的立場、つまり“偏向”の問題でなく、正に「歴史認識」の問題です。 自由な発言を常に抑圧してきたのが「報道」でした。“差別語”などという自己規制もそうです。 籾井さんの、 志村辰弥神父の『教会秘話』を読み返していて、終戦直後の状況に次の文章があります。
これが常識であり歴史でしょう。質問者はそう思っていないのでしょうか。 私は、今回の籾井さんの発言は、誘導尋問に引っかかったきらいはありますが、内外への発信力として、決して悪くなかったと思います。 毎日、朝日、中日は大声を上げています。ナツメロを奏でているのです。特に中日新聞の社説はこの陣営の本質を露わにして下らないです。(pdf)
これが「不偏不党」でない、ということですか? 同法は、防衛・外交など特段の秘匿が必要とされる「特定秘密」を漏らした公務員らを厳罰に処す内容だが、法律の乱用や人権侵害の可能性が懸念されている。 にもかかわらず「昔の(治安維持法の)ようになるとは考えにくい」と言い張るのは、一方的な見解の押し付けにほかならない。 秘密保護法を推進した安倍晋三首相側への明らかなすり寄りで、もはや不偏不党とはいえない。 これこそ自らの「報道の不偏不党」を否定する言い分ではないですか。中日新聞がどのような懸念を持とうと自由ですが、自らの見解と異なる意見を「不偏不党とはいえない」と決めつけるのは、自らの不偏不党制を否定するものです。(元々中日新聞が不偏不党などと思っていませんが) 賛否が分かれても、時の政権の主張に唯々諾々と従うことを、不偏不党と考えているのだろうか。 時の政権に唯々諾々と従ったと、どうして断言できるのか。(その傲慢さに怒りを覚える)。私は籾井さんの本来の考えであると思う。不偏不党とは関係ない。 女性の人権を著しく蹂躙(じゅうりん)した従軍慰安婦の存在を、戦争中という理由で肯定的にとらえるのは、公共放送のトップとしての見識が疑われても仕方があるまい。「個人の発言」では済まされない。 何を言いたいのか、さっぱり分からない。籾井さんはそんなことを言っていない。読解力が無いとは思えないので、意識した曲解である。報道の質の悪さが端的に現れている。 明日(31日)の衆議院予算委員会に、籾井勝人NHK会長が出席、民主党の原口一博氏が質問に立ち、発言の真意や責任をただすそうです。
民主党・原口一博議員の、籾井NHK会長への質問を観ました。私が楽しみにした論点は、原口さんが最初から除外したので、盛り上がらなかったように感じます。慰安婦問題を国会で取り上げるには、取り上げたくてうずうずしている議員がいっぱいいますから、そして、原口さんも自分の見解を出さなければなりませんから、リスクが大きいのでしょう。 原口さんが予算委員会の場で、籾井さんが取り消したこと(慰安婦問題)については、問わない、としたことは、国会の場では決着がついたことですね。報道がどう反応するか、それが楽しみです。
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