2014年5月12日 「集団的自衛権」が長年政治問題となっています。本件に関して、「砂川事件」、いわゆる「伊達判決」が否定された、昭和34年12月16日最高裁判所大法廷判決が注目されています。判決文の中に“田中耕太郎裁判官「補足意見」”というのがあり、私たち仲間は「防衛」「集団的自衛権」について、その「補足意見」をカトリック教会の教えと照合して、検討しています。何故ならば、田中耕太郎氏は熱心なカトリック信徒でありました。そして、現在の日本のカトリック教会中枢は、田中氏見解とは対極の立場を取っています。田中氏補足意見の中に、次のような言葉があります。
ところで、上記最高裁判決の五年余前に、黒澤明監督『七人の侍』は封切られています。その中で志村喬演ずる島田勘兵衛が語る次の言葉があります。
田中耕太郎最高裁補足意見を五年以上遡って、簡明に語っています。又、
これは「防衛」「防衛力」でしょう。侍を傭わなかった(武力を持たなかった)村は焼かれ、侍を傭った村が残ったのです。黒澤明の『七人の侍』は、正に「防衛」「集団自衛」がテーマの映画でありました。 『七人の侍』についてのこうした観点を教えて下さったのは、田中秀雄氏の『映画に見る東アジアの近代』という書物でした。『七人の侍』は実に生々しい映画であったのです。最高度のエンターテインメントの装いの影に、骨太のテーマが置かれていたのでした。今更ながら凄い監督であったと思います。 |
[固定アドレス] |