2013年1月27日
この命誰のもの


麻生太郎さんが「問題発言」し、発言を「撤回」しています。
問題発言とは、産経新聞によれば下の通りです。

(2月21日、社会保障制度改革国民会議に於いて、余命わずかな高齢者ら終末期の高額医療費に関連して、)

「死にたいと思っても『生きられますから』と。しかも政府のお金でやってもらっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」

「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく知っているはずだ」

この発言の何処が「問題」なのか。
(報道は「言葉」を問題だと言っているので、言葉の意味を問題視しているのではありません。いつもの如く)

むしろ「問題にしなければならない」、正面から取り上げる必要のある発言ではないか。
医療問題、個人にあっては人生観に関わる根幹のテーマではないか。
新聞は何故大好きな“アンケート”で、この発言を取り上げないのか。目をそらすのか。

先週金曜日(1/25)劇団四季の『この命誰のもの』を観ました。正にこの問題が主題であります。
主人公は交通事故による脊椎損傷で、首から下が回復不可能になった男です。ベッドの中、首から上だけで演じられます。
効果音の全く無い舞台、最小限の動きの中で、本質的な、つまり哲学的な言葉が交わされていく。
http://www.shiki.gr.jp/applause/inochi/index.html

このような作品は、シナリオを、是非出版して欲しいですね。

麻生さんの折角の発言を、封殺でなく大切な機会として、討論に繋げて欲しかった。麻生さんも「発言撤回」など、して欲しくなかった。この人は、もう一つ、弱いですね。

日本の報道陣は、実は最強の“自由な発言”圧殺集団です。麻生発言支持者は相当の割合で(私の身近では100%)いると思う。

資料として、新聞記事を下にコピーしておきます。
本件について、再度の取り上げは見えません。理由は、「報道が取り上げたくない」からでしょう。それ以外にありません。報道はすべて、報道する側の都合で行われます。


−−−[産経新聞 2013年1月22日(火)]−−−
終末期医療「さっさと死ねるように」 麻生氏発言し、撤回
 麻生太郎副総理兼財務相は21日開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、余命わずかな高齢者ら終末期の高額医療費に関連し、「死にたいと思っても『生きられますから』と。しかも政府のお金でやってもらっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」と持論を展開した。
 また、「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく知っているはずだ」とも語り、財政負担が重い現状を指摘した。
 ただ、麻生氏はその後、「私個人の人生観を述べたものだが、国民会議という公の場で発言したことは適当でない面もあった」などとする釈明のコメントを発表した。
発言を撤回するとともに、国民会議の議事録から削除するよう申し入れる方針だ。
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−−−[読売新聞 2013年1月22日(火)]−−−
終末期医療で発言 麻生氏その後撤回
 麻生副総理は21日、首相官邸で開かれた社会保障制度改革国民会議で、終末期医療の患者を「チューブの人間」と表現し、「私はそういう必要はない、さっさと死ぬんだからと(遺書を)書いて渡してある」と語った。その上で、「死にたいなと思って、生かされるのはかなわない。政府の金で(延命治療を)やってもらうなんてますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと解決しない」と述べた。
 麻生氏はその後、財務省内で記者団に対し、「私の個人的なことを申し上げた。終末医療のあるべき姿について意見を申し上げたものではない」と釈明した。
 また、「公の場で発言したのは適当でない面もあった。当該部分について撤回し、議事録から削除するよう申し入れる」とするコメントを発表した。
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−−−[毎日新聞 2013年1月22日(火)]−−−
麻生副総理:「生かされるとかなわぬ」 終末期医療巡り
 麻生太郎副総理兼財務相は21日の社会保障制度改革国民会議で、余命の少ない高齢者など終末期の高額な医療費に関連し、「死にたいと思っても生かされると、かなわない。政府の金で(高額な医療を)やってもらうと思うとますます寝覚めが悪い。
さっさと死ねるようにしてもらうなどしないと解決策はない」などと述べた。患者を「チューブの人間」と表現し、「私はそういうことをしてもらう必要はない、さっさと死ぬからと(遺書に)書いて渡している」とも発言した。
 自身の人生観を語ったものだが、今後野党が問題にする可能性もある。麻生氏は会議後に「公の場で発言したことは適当でない面もあった」との談話を発表。議事録から削除する意向を示した。また、記者団に「個人的なことを言った。終末医療のあるべき姿について言ったのではない」と釈明した。ただ、首相在任時も「失言」をたびたび指摘された麻生氏の発言には与党も敏感になっており、参院自民党幹部は21日、「釈明しなければならないことは言わない方がいい」と述べた。
 民主党の細野豪志幹事長は記者会見で「『とにかく生きよう』と頑張っている方もいる。政治家として言葉を発する時は、国民それぞれの受け止め方や意思を尊重すべきで、どうかという感じだ」と述べ、不適切だとの認識を示した。【佐藤丈一】
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