2013年5月19日
橋下徹氏の慰安婦発言

追記5/21
追記5/23

久しぶりに面白い発言にぶつかりました。13日の、橋下徹大阪市長の「慰安婦」に関連する発言です。私は新聞報道で骨子を読んで、もっと早く誰かが言わなければならなかった言葉であると思いました。

この問題では、主に韓国から、執拗に責められていますが、その度に、「ヨハネ書8-7」の有名な箇所を思い浮かべていました。

ヨハネによる福音書 8章(新共同訳)
イエスはオリーブ山へ行かれた。朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」

橋下発言の直後に妻と話しました。「誰もが分かっていることやけど、政治家が口にしてはいけない」との、妻の意見でした。昨晩(18日)仲間と呑みましたが、畏友も、妻に近い意見であったと思います。

しかし、政治家でない者の発言は、いっぱいあるのです。泰郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』は有名ですが、金完燮(キムワンソプ)氏の『親日派のための弁明2』があります。金完燮氏は裁判にかけられ、その後の消息を私はつかんでいません。
同書(扶桑社刊)187ページから始まる一章「日本軍のヒューマニズム ── 従軍慰安婦」では、今回の橋下発言をもっと詳しく解説しています。私は橋下さんはこの本を読んでいると思います。


私自身の体験もあり、私はこの問題で声高に日本人を責める韓国人を、常々、よくもヌケヌケと、と思っていました。自分を棚に上げて、ということです。私自身の体験を書いた文章は是非読んで頂きたいし、以前にどこかで発表しているのですが、発見できません。見つかり次第、ここにリンクします。

橋下さんは政治家として軽率だ、と言われますが、政治家である橋下さんが語ったからこそ、大問題として取り上げられたのです。評論家は今までにも多く語っていますが、問題にされていません。

今回の橋下さんの発言は、「罪を犯したことのない者が石を投げなさい」ということです。

橋下発言は13日、15日、16日の各2回、計6回分が、朝日新聞のサイトで、全文が出ています。(16日朝のみ、全文でない)。これを丁寧に読んであげるべきです。youtubeにもあります。13日の分は、http://synodos.jp/politics/3894
にも全文の書き起こしがあります。

それにしても、新聞各紙、産経を含め、ほぼ一致して橋下さんを攻撃しているのは、不思議に思います。擁護する者はいるはずですが、まったく出てきませんね。

曽野綾子さんはおそらく語られると思いますので、どのように言われるか、それを待ちましょう。

たまたま今日(5/19)の産経新聞、「皇室ウィークリー」を読みました。その中に、「皇太子さまは、過去に南米・アマゾンで売買されていた人間の干し首の展示もご覧になった。10年近く展示が控えられていたが、奇習が商業的に利用されていたという事実を知らせる意義もあり、博物館側があえて再公開に踏み切ったものだ」とありました。人間の干し首の売買など、現在許されるはずはないです。

先々月3月に、台湾の「霧社」を訪ねました。「霧社事件」のあった場所です。詳細は近々、「ノムさんの 台湾が好きだ!」にアップします。
霧社事件を扱った映画、「セデック・バレ」の第一部を観ました。今週中にも第二部を観終えたいと思います。これは決して「反日映画」というものでなく、人の尊厳をテーマとした誠実な大作と思います。

この地方には「出草」という習俗がありました。首狩りです。狩った首の数が男の勇気の証であり、誇りです。林建良先生も、「私のおじいちゃんの時代までは、首を狩っていた」と話されたと思います。霧社事件の発生は1930年ですから、古い話でありません。日本政府によって「出草」は禁じられていましたが、しかし完全に無くなってはいませんでした。

韓国人がヴェトナムで、アメリカ人が、イギリス・オランダが、アフリカ、インド、アジアで、何をしたのか。自分のことは棚に上げて、日本だけを責めることが出来るのか、恥ずかしくないか。ファリサイ派の人々ですら石を投げることなく黙って去った。ええ加減にしたらどうや、というのが、橋下さんの言でしょう。政治家に言って貰わなければならない発言でした。


5/21追記

「人間の干し首」や「首狩り」の話を挟みましたが、唐突で、ご理解頂けなかったと思います。今、それを認める訳ではない、ということです。しかし「あった」ことです。アメリカの南北戦争は、1861年-1865年です。それまで「奴隷」は認められていました。その後も長く「人種差別」は存続しました。公民権法が成立したのは1964年7月です。わずか50年前には、アメリカに「公民権法」は無かったのです。そのことについて、世界は「今の」アメリカ人を責めますか?

従軍慰安婦(という言葉は無かった)が語られている時代、性の売買は違法ではなかった。公然と“商売”されていたのです。

従事した日本人女性がいました。韓国人女性がいました。日本人女性の中にも家族の為に泣く泣く赴いた多くの女性がいたでしょう。韓国人にも当然いたでしょう。しかし“稼げる”商売として積極的に携わった者もいたでしょう。今もいるではないですか。

「女衒」という言葉は、今は死語かも知れませんが、韓国人に女衒がいなかったとは信じられません。

新聞報道によりますと、19日に、石原、橋下、松井を含む維新幹部が協議し、
1.従軍慰安婦を巡る橋下発言を撤回しない。
2.丁寧に説明していく。説明責任を果たす。
とのことで、私はこれで良いと思います。“撤回”などしたら、維新は終わったでしょう。

以後は“発言”でなく「文書」が良いと思います。英文でも出すべきです。
せっかく始まったのですから、韓国、アメリカも巻き込んで、きっちりと、徹底的にやるべきです。

24日に元“従軍慰安婦”と公開で会うそうですし、外国人特派員協会での記者会見もやるようです。

この問題はあまりにも韓国がしつこい。まともに正面から向かい合う政党が、一つは必要でした。テレビでは「維新」は「四面楚歌」だと言われていますが、乱立した野党の中で「四面楚歌」であることは、決してマイナスではないと思います。


5/23追記
ようやく、まともな論が産経新聞に出ましたね。
泰 郁彦 「橋本発言の核心は誤っていない」


朝日新聞デジタル2013年5月21日13時14分発
「21日朝の橋下氏と記者団のやりとり」
によれば、橋下氏は、
「国内でいくら言ってもね、産経新聞とか保守系の雑誌で言っても、世界は相手にしませんから。まあ、そこで威勢のいいことを言っていればいい。ところが、これね、本気で世界相手に向けて言えば、どうなるか分かったので、保守系気取りの威勢のいい政治家、もうなにも言わなくなったじゃないですか。」
と話しています。

私は改めて、橋下発言は必要であったと思います。秦さんが正論を語っても影響力は無いのです。政治家の発言が必要でした。しかし今回の橋下さんのやられ方を見て、今まで威勢の良かった政治家たちも、ビビったでしょうね。

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