2013年10月28日  追記10/31尖閣ビデオ
知る権利、報道の自由

25日に政府は「特定秘密保護法案」を国会に提出しました。朝日、毎日、赤旗は強く反対しているので、私はこの法案は正しいのだろうと思います。秘密を守れない相手と相談事を出来ないのは、個人の生活でも当たり前です。何よりも報道陣こそ「ニュース・ソースの秘匿」を金科玉条としているではないですか。情報源を明かさず、つまり攻撃された側に反論反撃の相手が不明な中で、如何に多くの人が泣き寝入りして来たか。私は「ニュース・ソースの秘匿」権は、(それが権利なのかどうか知りませんが)、相当に制約すべきと思います。「報道の自由+情報源の秘匿=言いたい放題」です。この危険を、私たちはもっと強く認識しなければならない。

「知る権利」というのも、「国民の知る権利」というのはウソです。朝日や毎日がこれほど強く知る権利を言うなら、いわゆる『河野官房長官談話』の根拠となった「韓国での元慰安婦16人の聞き取り調査報告書」の公開を、なぜ要求しないのですか。要求しないのみならず、逆に蓋をしようとしているではないですか。「知る権利」というのは、国民ではなく報道陣の知る権利であり、報道の自由とは、何を報道するか(報道しないか)の、報道陣の「選択権」です。“国民”の名を使うけれど、国民など視界にありません。眼中に無いです。

私は『しんぶん赤旗・日曜版』を随分昔から定期購読しています。基本的には配達・集金を人がやるようですが、私はそれを断り、郵送、自動振替にしています。余分な費用はかかりますが、担当者と顔を合わす必要がないです。それに私は、自分が「自由民主党員」であることを伝えてあります。変に誘われてもかないませんので。
「しんぶん赤旗」を読む理由は、やはり“確認”ですね。自民党がやろうとしていることを赤旗が反対して呉れると、安心できます。消費税増税もTPPも、原発も、今回の「特定秘密保護法案」も。
ただ「赤旗」の為に言っておきますと、年に何回か、“為になる”記事はあるのです。有効なヒントがあって、そこから追及していったことが何度もあります。カトリック新聞の記事が、政治社会問題についてはほぼ赤旗のコピーなのも、おもしろいです。

その「しんぶん赤旗・日曜版」、直近の10月27日号は伊豆大島土砂災害が最大のニュースで、1面、6,7面、3面全面を使っています。ところが町長の動きが全く分かりません。1面最下段に、“大島町の川島理史(まさふみ)町長は「土石流対策を過小評価していた」と反省します。”との40文字があるだけです。この方は共産党員町長です。普段の赤旗に似ず、非常に優しいです。この点については27日の産経新聞に、
“「赤旗」沈黙、身内に甘く”
とイヤミを言われています。

しかし、「赤旗」など、あまり大したことはないのです。大新聞、NHKを含めた大報道機関の身内庇い、隠匿は、常態でしょう。自社だけでなく、同業者全体で庇い合い、隠匿しますよ。何故なら、互いにサソリなのです。互いに脛に傷持つ仲間なのです。ほどほど以上の仁義を外れる報道はしません。だから報道陣から大きなスキャンダルは表に出ません。いま「みずほ銀行」の“反社会的組織”との取引が大騒ぎされていますが、新聞社にはそれが無いと信じられますか?

2005年にNHKと朝日のバトルがありました。しかしこれも私の記憶ではすうっと消えていきましたね。どうなったのでしょうか。ある段階で、阿吽の呼吸、手が打たれたのでしょう。

「知る権利」「ソースの秘匿」「報道の自由」、これが三種の神器です。無敵の言論暴力装置になります。報道陣が「特定秘密保護法案」に反対するのは、その武器を守る為です。


10/31 追記

いわゆる「尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件」についても、一色正春氏が職(生活)を賭して暴露しなければ、報道は何をしましたか? 何よりも、「報道を信じられない(正確に報道すると信じられない)」から、一色氏は自ら、最も直接な手段を用いたのでしょう。つまり一色氏は、「報道が、“編集”することなく国民に伝える」と信じなかったのです。私は見事に正しい判断であったと思います。

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