2014年4月25日
鎌倉市、市庁舎内の赤旗勧誘禁止(続)

 

4月9日の拙文で、

神奈川県鎌倉市で共産党市議らが、同党機関紙「しんぶん赤旗」を市庁舎内で勧誘・配布・集金していることに対し、市が平成26年度から、「職務の中立性」を理由に執務室内での政党機関紙をはじめとした物品に絡む勧誘などの行為を禁止したことが4日、分かった。

という産経新聞の記事を紹介しました。それに関して、鎌倉在住の友人U氏が、動きのよく分かる、鎌倉市々会議員・上畠寛弘氏の文章を送って下さった。U氏を通じ、上畠議員のご承認のもと、全文をここへアップ致します。

私が特に面白いと思ったのは、57ページ中段の、

鎌倉市では本来、労組が自ら徴収すべき組合費を市が成り代わって徴収する、また、市の財成が窮迫する中、労組の事務所を無償提供するなど組合への便宜供与は福利厚生の範疇を超えた内容で、すべては過去の革新市政を起源とする。労働条件について市当局と労働組合との交渉について、本来行政を監視する市議に対しても非公開の有り様である。

の指摘です。「特定秘密保護法」に大反対する彼らの主張と、どう整合するんですかね。

本件に関する産経記事が出て以来、私は他紙に記事が出るか、インターネット上ですが、注視しました。皆無だったと思います。自民党がやったのなら、どれだけの騒ぎになったか、容易に想像できます。「報道の自由」とは「報道する側の自由」です。「報道しない自由」でもあります。取捨選択、編集の自由です。これに「情報源の秘匿」権を結合すれば、恐るべき暴力装置であると、私たちは認識していなければなりません。言いたい放題が可能で、実際、言いたい放題です。誤報・捏造について、正当な対応をした例をほとんど知りません。「教科書誤報事件」における産経新聞くらいでしょう。そして更に重大なことは、国民が本当に知る必要のあることを、彼らは伝えません。

報道の害悪(罪悪)は、「SATP細胞」どころではないですよ。SATP細胞は簡単な問題で、再現できれば真実だったのであり、再現できなければ虚偽だったのです。それだけのことです。ごちゃごちゃ言うことはない。

鎌倉市の「赤旗問題」は、私が定期購読する「しんぶん赤旗」日曜版にも一切出ませんね。彼らにとっては重大問題のはずですが、沈黙です。従って党員もほとんどが知らないのでしょう。上記産経の記事には、「赤旗をめぐる同様行為は全国の自治体で慣例化しているとみられるが、禁止に踏み切るのは異例」と記されています。産経もせっかくこれを掴んだのですから、全国調査をやったらいいのに。週刊新潮か文春に期待しますか。共産党は他市への波及を恐れ、自分からは絶対話題にしないでしょう。

(私が「しんぶん赤旗」日曜版を読むのは勧誘があったからでなく、私から申し込んだのです。それなりに面白いし、参考になる記事も川底の砂金程度にはあります。最近電話で日刊を勧められたようですが、妻は断ったそうです。なお私は自分が自由民主党員であることを告げています。人による配達並びに集金は断りです。来たがるんですがね。郵送、口座自動引落にしています)。

最近私が注視しているのは日本維新の会・中丸啓衆議院議員の、3月19日、衆議院内閣委員会におけるカトリック教会に関する発言で、その公式な議事録は、ここにあります。

私の仲間たちは、U氏を含めて、カトリック教会一部の司教・聖職者の(一部であろうと希望しています。しかし“一部”以外から、ほとんど声が聞こえて来ません。全部かも知れません)政治的言動を憂えています。信徒間を引き裂き、外からは不信の目で見られるからです。実際その人たちの言動は、日本共産党の主張、あるいはより過激な集団の言動に、一致します。『木はその実によって分かる』という聖書の言葉があります。(マタイ 12-33) 実(言動)が木(本質)を表すのです。

中丸代議士の発言は明らかな事実誤認もあり、そのままを私が賛同するのではありませんが、頷けるところも多々あります。いずれにせよ『国会』の場において「オウム真理教」と比肩され、古谷国家公安委員長からは、「一般論として申し上げますけども」「平素から我々も関心をもって」(情報を)「集めています」。つまり、一般論としてではありますが、カトリック教会対象の国会質疑の中で、国家公安委員長が明言しているのです。

これだけの“政治”側の動きに対して、厳格な政教分離の徹底を主張していたカトリック司教の側が、一ヶ月以上を過ぎてなお完黙しています。これは異様なことと私には見えます。このまま沈黙を続けるなら、政治の宗教への関与を指弾する今までの言動、そしてこれからの言動に、正当性を失わせるでしょう。

ここでも、共産党もカトリック司教方も、形が似ています。人のことは大騒ぎするくせに、自分のこととなると黙りこくるのです。出来るだけひとに知られたくない。そっと鎮まるのを待つのです。

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